


「ハレの日に、土まみれ」そんな結婚式があってもいい。”日常” からしか作れない。これからの時代の結婚式の作り方。

ウェディングメニューから多文化共生について考える

季節がめぐるように、人生もまた少しずつ移ろっていく。
日々の暮らしの中では気づきにくいけれど、
同じ日は二度となく、いまという瞬間はかけがえのないもの。
そんな「一瞬」を丁寧に味わうことの大切さを
赤坂浅田のお祝膳は教えてくれます。
加賀の料亭文化を今に伝える赤坂浅田では、
旬の食材を中心に、土地の恵みを最大限に生かした料理がふるまわれます。
華やかな祝いの席に並ぶ料理は、
どれも見た目の美しさだけでなく、
その背後にある自然のめぐりや、いのちのつながりにまで心を向けたものです。
中でも印象的なのが、加賀伝統の「鯛の唐蒸し」。
祝いの席で古くから供されてきたこの料理は、
丸ごとの鯛をもち米とともに包み、じっくりと蒸し上げます。
鯛の旨みがもち米に染み渡り
見た目にも香りにも、ごちそうとしての風格があります。
けれどそこには、ただ豪華なだけではない
「いただくこと」への深い敬意が込められています。
命あるものをいただく
その意味を、改めて感じさせてくれる料理たち。
地のものを選び、旬を大切にするという姿勢は
自然のリズムに寄り添う暮らし方そのものです。
それは、限りあるものを慈しみ、大切に使い切る知恵でもあり
持続可能な社会をつくるための感覚にもつながっている。
祝いの席は、これまでの歩みと、これからの未来に思いを馳せる時間。
だからこそ、食のひとつひとつに込められた意味を受け取りながら過ごすことで、
その時間がいっそう豊かなものになるのではないでしょうか。
赤坂浅田のお祝膳は、
そんな「一瞬」の大切さと
美しく移ろうこの世界とともに生きる歓びを
静かに語りかけてくれます。