自分らしくて、エシカルな花嫁衣装の選び方

 

 

トップスとボトムスのツーピースやパンツスタイル、ミニ丈、カジュアルな素材代表のデニムを使ったドレスなど、ウエディング衣装の幅が年々広がっています。

 

物によってはレンタルをするのとあまり変わらないお値段で見つけることができるので、購入をご検討されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。オーダーメイドで、着物のように子どもや孫に受け継いでいくのも素敵ですよね!

 
今回はそんな幅広い選択肢の中から、「自分らしさ」を大切にした、エシカルなウエディング衣装の選び方について、フランスのブランドOLISTIC the label (オリスティック ザ レーベル)の、日本の温泉をインスピレーションに作られたコレクションと共にご紹介します。

 

特別な日だから、エシカルな素材を。
オーガニックコットンの白で魅せる

  

Tシャツ、ブラウス、デニムなど、カジュアルな洋服に使われるイメージが強いコットンですが、ウエディング衣装としても素敵な一面を見せてくれます。オーガニックコットンならではの優しい風合いは、着る人の優しさと調和して、見る人と着る人の心を穏やかにします。ウエディング衣装のデザイン次第でナチュラルにもエレガントにもなるのも魅力です。オーガニックコットンの柔らかい白は、花や植物で彩られた会場や、アウトドア、ガーデンなど屋外のウエディングとも相性がピッタリ。

  

ドレス Kōdō Dress / OLISTIC the label

 

オーガニックコットンは生産時に農薬を使用しないので、育てる人の体や、土にも優しい素材です。GOTS認証はオーガニックの繊維製品の認証マークで、環境と社会に配慮して作られていることの証明です。児童労働に加担せず、労働者の健康や安全の保障、平等な給与など、労働者の働く環境や最低限の生活が守られています。
また、天然素材は化学繊維のようなプラスチック由来のマイクロファイバーを発生しないので、着る時も洗う時も環境負荷が少なく、手放す際にはリサイクルや生分解がされやすいのも嬉しいポイントです。
特別な日の衣装だからこそ、作られる過程から手放す時まで、思いやりを持てるといいですよね!

 

光沢が美しいピースシルクで、生き物の命も大切に

  

  

高級な素材といえばシルク。そのなめらかさや光沢感は格別です。ウエディング衣装の中でも一際美しいシルクですが、絹糸を紡ぐときもエシカルだといいですよね。

ピースシルクは、そんな素材にもコンシャスなあなたにぴったりの生地です。

ピースシルクは別名アヒンサーシルクと呼ばれていて、通常のシルクの採取方法とは違い、絹糸を作る蚕が羽化し終わった抜け殻の繭から糸を紡ぐので、蚕の命を大切にしています。シルクの美しさやなめらかさはそのままに、生命を大切にしたピースシルク。その光沢感や肌触りに、きっとあなたも惹かれるはずです。

  

 

他にも様々なサステイナブルな素材がありますが、ウエディング衣装に使用される代表的なエシカルな素材は、オーガニックコットンとピースシルクの2つです。

もしもオーダーメイドをお考えの方は、今回ご紹介させていただいた素材や、他の環境や人に優しい素材を使って仕立ててもらえるかどうか、ぜひデザイナーさんにご相談してみてはいかがでしょうか。

 

作られる過程に思いを馳せて

 

  

糸の原料を育てるところから、糸を織って布にして、裁断、縫製と、ウエディング衣装が自分の手元に届くまでにたくさんの過程があります。日本は県ごとに特色があるので、その土地に伝わる伝統技術を使って作られた衣装も素敵ですよね。作る過程が透明なトランスペアレンシー、作る過程を追うことができるトレーサビリティ、伝統を受け継ぐというのも、サステイナブルな物作りの一貫。普段はなかなか考えないことかもしれませんが、誰によってどんなところでどうやって作られたのか、ウエディング衣装を纏うまでのストーリーを知ると、着た時の感動がより一層増しそうですね。

     

素材を大切に、布の切れ端まで使い切る

  

服は様々なパーツを縫い合わせて作られていますが、袖、首元、ウエストラインなどに曲線があるので、生産過程でどうしても切れ端(残布)が発生してしまいます。ウエディング衣装は生地をふんだんに使うので、普段着よりも切れ端が出やすいです。そこで、その切れ端をウエディング衣装の装飾やブーケ、会場のデコレーション、ヘアドレスやコサージュに使用するなど、様々な活かし方をされているデザイナーさんや、切れ端の活用に積極的なデザイナーさんもいらっしゃいます。気になるデザイナーを見つけた時は、サイトをじっくり読んでみたり、質問をしてみたりして、世界にたった一つのゼロウェイストなウエディング衣装を纏ってみませんか?

   

結婚式の幸せな気持ちを纏い続け、思い出を重ねる

  

いろんなお店を訪れて、たくさん試着をして、何日も悩んでこだわり抜いて選ぶウエディング衣装。一生に一度の晴れ着という印象がありますが、これから人生を共にしていく相手と、大切な人たちと迎えた素敵な日に着たウエディング衣装と、思い出を重ねていけると嬉しいですよね。

  

 

ウエディング衣装は上質な素材でできているので、ツーピースの場合、トップスはスカートやパンツを合わせることで、ドレスアップしたい時に活躍するトップスとして着ることができます。ボトムスを変えるだけで雰囲気がガラッと変わるので、結婚式当日の幸せな気持ちを何度も味わえるのも楽しみのひとつです。

  

ジャケット Nami Blazer blue、パンツ Nami Pantalon blue / 共に OLISTIC the label

 

今回ご紹介したポイント以外にも、ヴィンテージの着物をドレスに仕立てたり、天然染めで色を加えたり、様々な工夫を凝らしたウエディング衣装を纏うことで、特別な日がさらに思い出深い日になりそうですよね!
煌びやかなドレス、ミニマルなドレス、白無垢、パンツスタイルと、ウエディング衣装には様々な種類があります。多様性が認められるようになってきている今、心が喜ぶ、自分らしさを大切にした、エシカルなウエディング衣装を探してみてはいかがでしょうか。

  

ライタープロフィール

カリ あすか

ニューヨークを拠点とする、パーソナルスタイルコンサルタント。NYのFIT(ファッション工科大学)にてイメージコンサルティング科を修了。

2012年に、(服の生産地で知られる国の)ある川の色を見るとその年のトレンドカラーがわかる、という衝撃的な記事を読んだことがきっかけで、ファッションに関わる環境問題や過酷な労働環境があることを知り、サステイナブル、エシカルファッションに出会う。以降、ニューヨークからパーソナルスタイリング、執筆、音声メディアを通して、あなたらしさを大切にした、地球にも人にも優しいオシャレの楽しみ方を提案している。また、国連やファッションレボリューションをはじめとしたフェアトレードや環境に優しい服づくりなどをテーマにした、ファッションのサステナビリティに関するカンファレンスやイベントに参加、運営に携わる。

instagram:https://www.instagram.com/asuka.m.style/